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    株式会社サザランドー

株式会社サザランドのアートディレクター 畔柳仁昭に聞く、流行を生み出すデザイン

2018.4.9
佐藤恵美=執筆 稲葉真=撮影

ファッション、アート、ライフスタイルの分野でデザインを生み出す、株式会社サザランド。手がける媒体は、印刷物やウェブサイトにとどまらず、映像、ソーシャルメディアなど多岐にわたり、グラフィックデザインの領域を超える。サザランドのアートディレクター・畔柳仁昭に、求められる人材や仕事へのこだわりを聞いた。

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–どのようなお仕事を中心に手がけられていますか。

おもにファッションやコスメ、ジュエリーなどのブランドのグラフィックデザイン全般です。カタログ、ウェブサイト、パンフレットなどのプロモーション関係はもちろん、ロゴやパッケージデザインの段階から担当することもあります。
スタッフは、代表を含めてアートディレクターが3名、グラフィックデザイナーが4名、そのほか4名のウェブディレクターとマネージャーの計12名。小規模なチームでコミュニケーションもとりやすく、後輩には基礎からきちんと指導しています。デザイナーがムービーのディレクションもしたり、ウェブディレクターがムービーのBGMを自分でつくったり。枠にとらわれずいろいろなことに挑戦できる会社です。

–今回募集されるのはグラフィックデザイナーですが、貴社に求められるデザインの能力について教えてください。

コミュニケーション力、感応力、展開力の3つが大事かな、と。なかでも「感応力」とは物事を敏感に感じとる力。グラフィックデザインの基礎的な技術や歴史などは理解したうえで、それを超えたりはみ出したりするには感応力が必要だと考えています。
また「展開力」ですが、あるデザインを提案するとき、A、B、Cと全く別のプランを考えるのではなく、Aを少し発展させたA’、A”と提案してしまうことがありますよね。ですがAだけでなくBやCへと大きく展開する発想が必要だと思います。それには、音楽、写真、アート、ファッションなどいろいろな分野への興味を持つことが大事だと思います。

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–貴社では、気鋭のアパレルや話題のコスメなど、流行をリードするブランドの仕事も多数手がけられています。

特にファッション分野の仕事は多いですね。今季は15のブランドのビジュアルおよびカタログを制作しました。クライアントがアパレルブランドの場合は担当者もデザイナーなどクリエイティブな感性が高い方のことが多く、こちらのデザインの意図を理解し楽しみにしてくれる。自由度も高くやりがいがあります。
たとえば2016年から担当しているアパレルブランド、beautiful people(ビューティフル ピープル)のカタログ制作では、初めのオーダーは「毎回同じ判型にしてほしい」というものだけでした。2016年のカタログには本文用紙はページごとにすべて違う紙を使っていますが、これは印刷所に余っている紙をランダムに選び印刷したもの。また表紙にターポリンという防水シートを使った2017年のカタログでは、中の写真をよくみると表紙と同じ素材が写っている。こんなふうにちょっとした仕掛けを入れています。

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テーブルの上に並ぶのは「beautiful people 2017」 のカタログ。表紙にターポリンという素材を使っている。

–遊び心に満ちた軽やかなデザインですね。どのようにアイディアが生まれるのでしょうか。

デザインの「種」はないか、いつもなにかしらデザインのアイデアを考えていて(笑)。散歩をしながらデザインを考えたり、逆に料理のことを考えながらデザインをしたり。この前も撮影で行った海岸に、不思議な佇まいの石が転がっていたんです。コンクリートの破片のようなものでしたが美術作品のようにも見えて。結構大きくて重いので、周りのスタッフには止められましたが、持ち帰って撮影したらなんとも美しく、とても気にいっています。先ほどの「感応力」にもつながりますが、一見なんの変哲もないものも、見方によってはデザインの材料やモチーフになり得るんです。

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Park Sutherlandのポスター。海岸で拾った石、パプアニューギニアのお土産のお菓子、金物屋で見つけた滑車とうずらの卵をモチーフに制作。

–最後に、畔柳さんの考える「デザインの仕事」とはどのようなものでしょうか。

我々のデザインに触れる人が、直感的にかっこいい、美しい、おもしろい、楽しい。そういうふうに感じてくれたらいいな、と。
そのためにはアイデアを様々な角度から検証をしてデザインを作り上げています。
デザインは目的を達成するための表現や手段だと思います。大事なのは、その手段で雰囲気をつくり出すこと。商品、それをつくった人やお客さんなど、関わるすべての間に「気配」をつくる仕事なのかな、と思っています。

  • 株式会社サザランド

    本社所在地 〒107-0062
    東京都港区南青山2-22-17 川上ビル9F
    代表者   関田森彦
    設立年   1991年
    従業員数  10人
    資本金   1000万円
    http://park-sutherland.com

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