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現代陶芸作家の器で! 鮮やかな食卓のすすめ【沖縄編】

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旅先などで売られていると、思わず買いたくなってしまう作家さんのつくった器。あまりにお気に入りの器だと、もったいなくて使うことができず、ついつい観賞用として食器棚に鎮座させてしまいがちです。でも、器はやっぱりお料理と合わせて楽しむのが一番!沖縄県石垣島で見つけた、「沖縄の器」で彩る夏の食卓を提案します。


石垣島の「辺銀食堂」で印象的だった、沖縄の作家・大嶺實清さんの目の覚めるような青いお皿


「現代陶芸作家さんの器」と言うと、高くて気軽に買うことができないのでは?と思ってしまいがち。もちろん価格はさまざまですが、実は手が届かない価格ばかりではなく、洋服を買う感覚で手に取ることのできる作品も多くあります。
 作家さんの個性が溢れている器を、どんな料理と合わせようかと考えを巡らせるのも器遊びの醍醐味。良い器は、料理の盛りつけをさらにおいしく演出してくれることもあります。今回は石垣島の焼き物屋さんで出会った器と、夏にぴったりの料理を合わせてみました。


器と料理の量感を合わせる─小泊良さんのお皿で食べる、鶏肉と夏野菜の煮物

 
 幾何学モチーフが思わず目をひく、小泊良さんの作品。静岡県出身の小泊良さんは沖縄芸術大学を卒業して以来、沖縄で制作を続けています。現在は沖縄県国頭群今帰仁村の工房で作陶され、全国各地で個展も開かれている注目の陶芸作家です。



 直線と曲線の組み合わせもおもしろく、厚みのある縁が土の温かみを感じさせるこの器には、大きなズッキーニを主役に、夏野菜をたっぷり使った洋風煮物がよく合うのでは?と思いつきました。
 
 野菜がゴロゴロとしていて簡潔だけれど見た目からホッとしてしまう、そんな家庭の煮物料理には、こんな風にどっしりと安定感のある器と合わせることで、バランスを取ることができます。
 ボリューム感も感じられるので視覚的にも味覚的にも満足感のある食卓に!料理と器の量感があまりチグハグにならないことに気を付けると、それぞれの良さが引き立ちます。


色合いの組み合わせでさらに魅力的に─東恩納美架さんのパステルカラーに、夢心地する食卓

甘やかなパステルカラーが特徴的なこのお皿は、沖縄生まれ沖縄育ちの東恩納美架さんの作品。




パステルカラーで彩りのバランスを取ることもできる

 
 ところどころ色のかすれたような風合いが、ノスタルジックな気持ちにさせます。この独特な色彩は、台風の激しさや強い陽射しにさらされて、元の塗装の剥がれた沖縄の建物からインスピレーションを受けているそう。時の流れを感じながらもそこに佇みつづけるような、昔からある建物のような安心感のあるデザインです。
ある日の夕食では、ひき肉の夏野菜炒めごはんと合わせてみました。

 色合い次第では食材に不足している色を補うこともできるのが、器のいいところ。お料理に色の偏りが出てしまったとき、お皿で料理の引き立つ色を足してあげると、見た目からもおいしそうな食卓になります。
 東恩納美架さんの美しいペールトーンに、今回はひき肉を合わせてコントラストを出しましたが、パンケーキなどの淡い卵色など同系色でまとめると、甘やかになります。
加えてお皿の表面に土の荒いテクスチャーが残っているのでお皿が立体的に感じられ、お料理まで立体的に魅せることができる作品です。



出典:Fine Tableware Merchants.com
http://www.finetablewaremerchants.com/blog/





 カラフルなお皿は「合わせにくいのでは」と敬遠されがちですが、ファッションと同じような色彩感覚で合わせてみると、コーディネートはより自由になります。反対色を合わせてビビットな印象にしてみたり、柄に柄を合わせる遊び方も。その日の食卓の雰囲気や、ゲストのイメージに合わせられたら素敵です。

自由な発想で盛り付けを─相馬正和さんが作る唐草模様の湯呑みを小鉢に。

 涼やかな透明感のある唐草模様に惹かれて購入したこちらの湯呑みは、沖縄の伝統的な壺屋焼を守る陶眞窯(とうしんがま)の、相馬正和さんの作品。



 伝統的な手法の中に活きる、軽やかで現代的な絵付けが魅力的です。本来は湯呑みとしてつくられたこちらの器ですが、小鉢に見立ててちょっとしたお料理を盛るのにもちょうどよい大きさです。
 レーズンやクルミを千切りの人参と合わせたフランスの定番家庭料理「キャロットラペ」です。白ワインビネガーやレモンの絞り汁が爽やかな一品。和テイストの食器でも、意外と洋風料理との相性が合うんです。

 いろいろなメニューをどんどん合わせて試してみると、多彩な器の魅力を発見することにも繋がります。器のかたちの特徴を観察し、合わせるお料理やクロスなどを想像する一連の流れはとてもクリエイティブで、食欲を掻き立てます。


元気が出てくる組み合わせ!─月桃の実が艶やかなお皿に、夏野菜の塩きんぴら





 こちらの器のモチーフになっているのは、沖縄では「邪気払いの草木」とされている月桃の実です。美容にも効果のある月桃は、沖縄で「サンニン」と呼ばれているショウガ科の常緑多年草。
整腸作用や抗菌作用もあるとされていることから、ハーブティーや化粧品まで様々なかたちに加工されています。月桃の実には豊かなポリフェノールも含まれており、美容効果も期待できるそう。
 風に揺れて踊っているような躍動感で描かれている器には、元気いっぱいの色を使ったお料理を合わせたい!と思い、いろどり夏野菜の塩きんぴらを盛り付けました。

 器の色も、食材の色も見るに鮮やか!元気を出したい時におすすめの一品です。夏野菜は味がしっかりとしていて甘いので、味付けは控えめにみりんと塩を少々。とてもシンプルなお料理ですが、器の華やかさで食卓はぐんと賑やかになります。
 余談ですが、赤系の色には、副交感神経を刺激し胃腸に働きかける結果食欲が増し、薄味でも十分に満足できる効果があるとのこと。塩分や甘みを控えてあっさりと季節の味を楽しむのには、ちょうどよい器でした。ヘルシー志向の方はぜひお試しください!

沖縄らしい色の器に惹かれた瞬間、食欲もわいてくる

 沖縄の海の色をそのまま写し取ったような青色や、自然の雄大さを感じる土の表情や感触こそ、沖縄の器の魅力です。生命力に溢れた沖縄の自然から生まれた素材でつくられた器を眺めていれば、思わず食欲がわいてきます。器選びと料理を合わせて考えれば、食卓はどんどん健やかになりそうです。

 今夜の食卓には、どの器で、何をお腹いっぱい食べたいですか?



小泊良さんのブログ
URL:http://ryonakijin.blog90.fc2.com/



東恩納美架さんのブログ
URL: http://blog.6614d76e1907b4a6.lolipop.jp/


壺屋焼窯元 陶眞窯 
住所:沖縄県中頭郡読谷村座喜味2898
電話番号:098-958-2029
URL: http://tousingama.com/toushingama/